2018-04-29

17周年にして200回目の06S


誇張する言い方をするならば、渋谷を歩く人々に石を投げれば DJ に当たると揶揄されて久しい2018年。レコードを1枚1枚視聴して、ターンテーブルを触り続けてコントロール出来るようになるまで、日々修行をして3年と言われた時代から比べたら、テクノロジーの進化によって本当に誰でもいつでも DJを簡単に始められて、人前に立てる時代になった。USBスティックを CDJに刺せば 3台が同期して DJプレイ出来るようになるなんて、重たいレコードバックを持ち歩いていた20年以上昔の自分にこの話をしたら、ドラえもんのポケットから出てくる夢のような話。それくらい DJシーンとそのあり方はとてつも無い大きな世代間ギャップの上に成り立っていると最近実感する。

DJ で生きていく為には何が必要なんだろう? DJ という存在を誇示していくには、どうやって考えるべきなんだろう? 大きなクラブでプレイする DJ にとって大事な要素とは何だろう? 

昨今の DJ達は DJを始めるという行為の敷居が低くなった分、ある意味逆に高いレベルで DJに対する考えや想いがあると感じている。自分は 17年前に 06Sを開始した当初、DJとして生きていく為にどうしたら良いか?なんて正直あんまり考えていなかった。もちろん DJを職業にし、生業にしようとおこがましい事は考えて無かった。でも、今は DJが仕事となって生きているし、当時から日本にドラムンベースのシーンを根付かせるために多くの人に自分の存在を認めてもらいたかったのは事実。時が過ぎると17年前の大事な記憶も薄っすらとしか残らなくなって来るけど、明確なのは、人前でパフォーマンスをして、沢山の人を踊らせて楽しみたいという、シンプルな情熱が大きかったのは確かだ。

結局、自分の想像を凌駕し継続する案件は、純粋かつ強い気持ちが根幹にあって、そんな自分が持っているシンプルでも純粋にやってみたいと熱望する強い気持ちを、応援してくれる日本屈指のクラブ Wombと優秀な友人達に恵まれたのは大きい。自分は本当に幸運で、ファミリーと呼ぶべき彼等無しでは、何1つ成し得なかったし、06S を17年間も続けるのは不可能だった。

06S は17周年を迎え、200回目を迎える。200回毎月 WOMBのメインフロアーの DJブースに立った経験を持つのは最長レジデントパーティーの DJである自分なのは周知の事実。あのブースで培った経験と知恵は現在の自分の大きな人生の核であって、200回の中で迎えた修羅場や、数々の最高の時間を乗り越えてきた人のみが眺められる景色が存在している。あのブースに初めて立ってから17年。もちろんその分だけ年齢も重ねたけど、昔のように勢いだけで乗り切ってきた自分よりも、最近はより冷静に物事を見つめ、機材をコントロールし、フロアーを掌握出来るようになった。最高級な爆音の中に身を置く自分を俯瞰で眺めているような感覚が宿っている。06Sでの17年も含め DJキャリア21年。それだけ同じことを続けていると、頭で考えるよりも、体が勝手に動いて自分を表現するようになった。多分この現象は、1つのことを極めた、いわゆる職人と呼ばれる人たちみんなに起こる、口では説明しにくい、その人の心と体に染み付いてしまった意識を超える感覚だと思う。

意識を失うという言葉があるけど、それは完全に自分を制御しきれない状態を示していて、通常人間は意識という自己コントロールを促す部分で生きているけど、最近考えるのは、意識を超える感覚がそこには存在していると実感している。頭で考えるよりも先に感覚が自分を動かすようになるのが、長年を費やして培われる職人技だと考える。

そして、意識をも超える感覚を身につけた人達が本物の DJであり、アーティストだ。何事も長年諦めづに行動を伴う思考を継続していれば、集中力を超える意識外の部分が最も大事だと自覚するのではないか。それと同時に自分の可能性や、力量、能力、才能、に気づく時は必ずくると思っている。

正直、自分でも納得できる究極の領域に達するまで、まだどれくらいの時間が必要なのかも分からないけど、もうそんなに遠い未来では無く悟りの境地にたどり着くのかも知れない。とにかく答えを見つけるには、長年1つの事を貫き表現しながら積み上げて継続する方法しかなくて、その感覚を維持しながら、一流の職人達はきっとそんな心境にたどりつきながら匠の技を磨いているに違いない。

自分はまだまだ夢の途中なのか、不治の病にかかったままなのかも分からない。音楽が持つ魅力と同時に魔力もあって、その不可思議な力に取り憑かれてしまっている人は、沢山存在していて自分もその1人。可能な限り持っている力はまだ試して見たいし、まだまだ探求して奥深くまで知りたい意欲がある。



そんな想いで迎える17周年記念と200回記念の 06S。後1週間後、来週土曜日5月5日にその大きな節目がやってくる。改めてこの200回という数字を見ると、毎月200回は素直に凄いなと思うけど、色々と困難な時期もあったし、もう継続は無理かな?と考える局面は山ほどあったのに、あっという間に過ぎ去ってしまった感覚が大きい。正直200回は自分が1番信じられないし、かなり感慨深い。更に今回のアニバーサリーは、2公演2都市という新しい試みで、06S前日、5月4日金曜日は、名古屋X HALLと06Sのコラボレーションパーティー。しかも、DJ AKi Streamを名古屋の X hallからストリーミングするので、これも新しい試み。X HALLのボス山崎さんは、およそ4年位のお付き合いで、名字が同じなのもあり、初めて会った時から親近感があって、彼は本当に名古屋にしっかりとしたシーンを根付かせようと、若手の育成に力を注いでいる人格者。彼の元で DJ活動を出来ている若者達は最高の指導者に恵まれていて幸せだ。名古屋は街のポテンシャルも高いのでこれからのシーン成熟を心から期待する。来週末は何かと忙しい週末になるけど、熱意を持ってよりドラムンベースという音楽をこの日本で根付かせたい人達の想いが、5月4日、5月5日に詰め込まれているので、名古屋の人も、もちろん東京のクラウドも気合十分で楽しみにしていて欲しいと思う。昨年のウルトラ以来の共演のYUUKi MCも帰国するし、何と言ってもドラムンベース界の覇者 Pendulumが再降臨ですから!! 後1週間 DJ AKiも自分をしっかり見つめて気合を十二分に溜め込んで挑むアニバーサリーなので、全員参加でよろしくお願いします。





2018-02-01

今週末は、Alix Perez 初来日!!


今週土曜日23日は、東京ドラムンベース・フリークの毎月のお楽しみ 06S をWOMBで開催する。今回のゲストアーティストは、dBridge主宰のExit Recordsを始め、自身のレーベル”1985 Music”を拠点に活動する ベルギー出身の Alix Perezが日本初来日!! そのミニマルかつ革新的な音で注目を集め、昨年のD&B Arena アワードにて最も飛躍した新たなレーベル賞を受賞した彼のレーベルとサウンドは、Exitの天才プロデューサー達である Skepticalや、Sam Binga等とのコラボレーション楽曲でその才能を開花したけどExit Recordsから突如現れ大きな話題をさらったユニット、Richie Brainsのメンバーの1人だったりもするが、昨年訪れたチェコの世界最大級のドラムンベース・フェスティバル”Let It Roll”で初めて会う事が出来た。”Let It Roll”はステージが8つもあって、全敷地内の全てのステージを歩くだけでも30分はかかる規模で、全ての出演者を見て体感するのは不可能だけど、丁度 Alix Perezが出演したステージに出くわして、おっ!この DJは中々面白いし、ヨーロッパのオーディエンスから大きな支持を受けるフロアーの盛況っぷりは、是非日本に招聘してみようと思わせてくれたプレイで、彼のサウンドは日本で紹介しないといけないなと思わせてくれたアーティストだった。そんな中、出演者が集うバックステージで、一休みしていると、AKiだよね?と彼から声をかけて来てくれた。初めて会った彼は、ドラムンベースシーンではあまり見かけないお洒落でスタイリッシュな出で立ちで、音楽以外の彼のレーベルからリリースされている、マーチャンダイズが即完なのも納得。話してみると日本に来たいという意欲も強かったし、人柄も物腰が柔らかいナイスガイで、初対面ながら好印象だった。
06S は17年に渡って毎年招聘しているアーティストはもとより、新しいサウンドを産むアーティストも積極的にブッキングしたいと考えていて、1年で多くても12組しか招聘出来ない中、チェコ以降直ぐにコンタクトをして来日してもらおうと動いたけど、ふたを開けると中々の売れっ子で、スケジュールの調整まで半年かかって念願の初来日が実現する。本人からもこの日を本当に心待ちにしているし、早く日本に行きたい!とメッセージが先週届いた。初来日でありながら、東京、大阪、名古屋の3都市ツアーが決定していて、彼に対する若い世代の日本のフリーク達の熱い注目を感じている。

昨年のチェコは、クラウドファンデゥングの支援によって訪れる事が出来て、自分が世界最大級のドラムンベースフェスで DJをする事が出来たのも自分にとっては掛け替えのないキャリアになって財産だったけど、今の世界のシーンで活躍し注目を集めるアーティストのプレイを体感し、そんな彼らと出会えてコミュニケーションが取れたのが物凄く大きくて、今年の上半期にブッキングすべきアーティストは、自分の中でほぼ決定している。極東の日本にいて無数のプロモが届く恵まれた環境は本当に感謝しているけど、やっぱり実際現地に訪れて自分の耳と目でしっかりと確かめて体感しないと全ての本質は分から無い。最近は、日本でも若い世代のDJやプロデューサーが成長し始めていて彼等の存在は大きく、今後のシーンを担って欲しいし、そんな彼等に DJ AKiが海外で見つけた新たな才能や音楽を今回の Alix Perezから感じてくれたら、自分としては嬉しいなと思う。雪が降ったりインフルエンザが流行っているけど、元気な人は冬の寒さに負けずに、Wombに遊びに来て欲しいと思います。

2018-01-30

Noisia & Theupbeats と貴重な1日


先日、Noisiaのフルメンバー3人と、The Upbeats2人と東京で出会う機会があった。The UpbeatsJeremyは、昨年 06Sに招聘したアーテイストで、以前はアンダーグラウンドを極めていた東京のドラムンベース・パーティー”Hang Over”に8回ほど来日した過去を持つニュージーランド出身の親日家で、今回はキックスタートという、クラウドファンディングで、””No Sleep till Japan”プロジェクトを立ち上げ、そこに集まったサポーターの支援によって来日した。彼とは昨年の チェコでのフェスティバル”Let It Roll”で再会して、年明けに日本に行くから東京で会おうとその時に聞いていたけど、まさかNoisiaのフルメンバー3人と来日するとは思っていなかった。オランダを拠点に活動する Noisiaのメンバーで約10年前に06Sに出演してくれた、タイスはロンドンのFabricでRam Nightに出演した際にも会ったけど、他の2人のメンバーには全く会ったことがなく、ヨーロッパであまりにもビッグアーティストになってしまったNoisiaに3人揃って会える機会は訪れないだろうなと思っていたけど、3人揃っていつかは会ってみたいと思っていた最後の大物達。以前からNoisiaの音楽は常に革新的でオリジナリティーが高く、好きだったけど、昨年リリースされたフルアルバム"Outeredge"は、驚愕の大傑作で正直かなり意識を持って行かれた音揃いだった。そんな信じられない音を産み出すと言われている Noisiaのニックは、絶対的に Noisiaのサウンドの核で、Audioが来日した際に 彼は別格のプロデューサーだと言っていたし、Ed Rush & Opticalも当時、彼等のスタジオに訪れた事があったと話していた。1流のアーティストが一目を置く、他には無い独特な世界観のソニックリーかつ重厚で最上級の音を産み出す男がどんな人なんだろうと多分に興味を持っていた。
そんなNoisiaが運営するレーベル”Vision”から10年に1度のアンセムと称される”Dead Limit”を共作でリリースしたThe Upbeatsは、以降ヨーロッパで絶大な支持を受け、Let It Rolllでもメインステージのアクトとして出演していたけど、そのJeremy から来日直前に連絡が来て、東京にステイする機会も3日と短いけど、時間があったら会おうと連絡がきて、自分の予定を動かしても必ず会わないといけない人たちだったし、コンタクトしてくれた彼のおかげで、Noisiaの3人と初対面することができた。そんな神レベルで崇拝するニックにスタジオを構築する様子もずっとfacebookで見ていたし、その経緯や、なぜあれだけのサウンドを生み出せるのか?等、直接本人と話せたのは自分にとっては神との対話のようなもので、本当に貴重な時間だった。予想外だったのはもう1人のNoisiaのメンバー、マーティンは、実は、オランダのEDMアーティスト、DON DIABLO の楽曲を手がけているらしく、実はここ数年のEDMシーンにも関わっていると聞き、彼等の音楽性の懐の深さにも驚かされた。3人それぞれの個性が全く違うけど、本当に優秀かつ研究熱心で、経験が全てでそれらを積み上げた結果があるからこそ今のポジションがあると語っていた言葉が心に深く響いた。東京滞在の最終日、彼等がステイしていた西麻布からほど近い、六本木のお蕎麦屋さん HONMURA AN で楽しいランチをして、明治神宮で参拝の礼儀をみんなに教えて上げて、素直にお参りをすると、気持ちがスッキリしたし、日本を好きになったと言ってくれたのは嬉しかった。

翌日から、日本の有名バンドもレコーディングで使用する、伊豆にあるビンテージの機材が充実したスタジオに2日間ステイして、産み出された彼等の楽曲は早く聞いてみたいし、彼等と会えたことはこの上ない幸せを感じた。今後の自分の活動に対するモティベーションが高まった東京での貴重な時間だった。近い将来彼等が06Sに出演してくれるのも実現できると思うので、その時は、本当にお楽しみです。