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2017-09-22

Ultra Music Festival Japan 2017

9月18日、日本で最大にして最も勢いがあるフェスティバル”Ultra Music festival Japan 2017”の3日目最終日のライブステージに出演した。3日間で12万人が集結したこのフェスは、初日2日目と台風に見舞われて大雨の中の開催だった2日間が嘘のように、最終日は朝から秋とは思えぬピーカンなお天道様が登場。20年間屋外でDJをする時に、自分のDJの時間帯に1度も雨が降ったことが無い自分としては、当然晴れると信じていたし、むしろ暑すぎるその夏日なお天気は、DJブース内の体感温度が非常に高く、子供の頃に風呂でのぼせたり、中学生の頃に激しく走りこまされて失神寸前だった部活を思い起こさせるような状態だった。台風をも吹き飛ばす晴れ男伝説はまだまだ終わらないし、何度も言うけど、ここまでくると屋外フェスを計画している方々は、てるてる坊主代わりに、DJ AKiをブッキングした方が良いですよ!と言いたい。

有難いことに UMFとはご縁があって、初めて2013年の韓国のUMFに出演して以来、2年振り4度目となった今年のステージから、余韻と興奮が冷めやらぬまま3日が過ぎたけど、今回受けた経験は今後自分が進む道が何処に向かい何をすべきか、明確にその方向性が見えた掛け替えのない経験になった。

今年の夏は、自分にとって大きな流れがあって、先月チェコ共和国で開催された世界最大級のドラムンベースフェスティバル”Let It Roll”に出演するために、クラウドファンディングで”Let DJ AKi Roll”プロジェクトを立ち上げて、多くの方々から支援を受け、Shimonが主宰するレーベル”Audio Porn”のステージに立つ機会をもらった。ヨーロッパのシーンの現状を目の当たりにし、その規模感と音の振動を身体全身に受けるサウンドシステム、そしてオーディエンスの音に対する真剣さ、スマホなんていじらないでひたすら楽しみ尽くすそのアティテュードに圧倒されて、自分が今まで信じて愛して来たドラムンベースの価値観がひっくり変えるような、とてつもない経験をした。当たり前なんだけど、フェスでDJをするという事は、クラブでDJをする事と似て非なる行為であると多分に学び、自分としては、チェコでの時間から UMFまでの一連の流れはずっと続いていて、着地した最終地点が、お台場の会場だった。
DJキャリアが20年を超えて、自分の人生の半分近い時間を費やし、振り返ると良くもこんなに長く継続して来られたなと、自分でも思うけど、今回の UMFでは、より冷静に、そして激しく、今まで信じて来た音、そしてヨーロッパで体感し、新たに産まれ変わった自分を表現する事が最大のテーマで、その為に考えられる演出の為に最強の布陣でステージに挑んだ。

まずは、長年の相棒である YUUKi MC。彼は現在ノルウェーに移住して1年が立ち、共にステージに立つ事が当然のように困難になって、この1年はYUUKiが居ない状態でステージに立ち続けた結果、彼がフロアーをどれだけコントロールしてくれていたのか、身を持って知って、その存在の大きさに改めて気づいていたけど、今回はこのステージの為にノルウィーから、フェスの当日に帰国してくれた。久しぶりに長年の相棒が一緒にステージに立ってくれるその安心感は精神安定剤のようなもので、いつもの自分を保てる大きな助け舟になってくれた。そして、チェコにも同行してくれた VJのYAKO君。彼は長年自分のレジデントパーティーである 06Sに、15年以上通ってくれて、どんな映像演出が DJ AKi及びドラムンベースにとって大事で必要か知り尽くす VJで、今では 06Sでバイマンスリーで VJをしてくれて居て、この日の映像演出の為に新たな映像を製作してくれた。そして、日本を代表するライティングマスターの AIBAさん。もう説明無用なプロ中のプロである彼は、17年近く照明をコントロールしてくれる心から信頼出来る人で、隣のエリアだったレジスタンスの照明演出担当だったにも関わらず、DJ AKiの時間帯にライブステージに乗り込んでくれた。また、今回はいつもの 06Sの最強メンバーに加え、シークレットゲストとして新たに UMFのステージに参戦してくれたのが、只今、フリースタイルダンジョンで2代目モンスターとして熱い注目を集める MCの ACE君。実は彼とは2回 Tokyo Street Collectionというイベントで、WombとageHaで共演し、その鉄の心臓から繰り出すマイクパフォーマンスでコントロールするフロアーの掌握力、Hip Hopの MCでありながら、ドラムンベース MCとしても、面白い化学反応を起こすスキルと、ステージの立ち姿の貫禄を強く DJブースから感じていて、また共演してみたいと思っていたアーティストだった。今回はライブステージに出演だったのもあって、長年の相棒の YUUKiに加え、ACE君がステージに立ってくれたら、更にライブ感が増して新しい結果が産まれるとイメージして、自分から直接彼にオファーをすると、出演の承諾をしてくれた。

そして、ACE君が登場の際にプレイしたオリジナル楽曲を長期間に渡って製作してくれた GAKちゃん。チェコにも同行してくれてドラムンベースの真髄を体感した彼との音源を、より本物の UKサウンドに仕上げてくれた、レジェンドと呼ぶに相応しいプロデューサー SHIMON。これだけ役者が揃えば、後は自分の仕事をするだけ。45分間の短い出演時間だったけど、より濃縮されたバイブとフローを生み出すであろう、フェスでの DJはこうあるべきだ!と思うセットを何日もかけて塾考した。

DJ AKiは毎月23時から朝の5時まで6時間セットを Fai青山で開催しているパーティー”Jupiter”で、UMF2日前に、その考え抜いたセットをぶちかまして、強い手応えを感じ取った上で、更にセットを微調整してステージに挑んだ。正直、今回のライブステージは、バンドがメインだったから各出演者の転換時間が30分ほどあって、音が止まる状況からスタートする状況で、そこに関してはどうなるのか?当日を迎えるまで全く想像ができなかったし、UMFというフェスに初めて設置されたライブステージで、今の自分がどういった形で乗り越えられるか、自分がどれだけの運を持っているかの腕試しで、全く響かない可能性もあったし、最高の結果が生まれるかも知れないし、とにかく半信半疑の玉砕覚悟でステージに立ったのは素直な気持ちだったりもする。しかし、今回の UMFでは媚びる事なく自分が信じる音と共に、最強布陣で挑んだおかげで、いつものように全く緊張や気負いすることなく、DJを開始した。

スタート前は、ほとんどフロアーに人が居なかった開始直後から、時間が経過すると続々と人が集まって来て、ブースからは誰か分からない程遠くで、激しく踊る人たちが数え切れないほど居て、音と映像、照明、MCが三位一体になって、爆発力が産まれた。フロアーから跳ね返ってくるバイブを、ガッチリと掴んで、冷静にコントロール出来た事は、チェコでの時間を経験したのが大きく、今までの自分とは違うサイズ感や心境によって乗り越えられたのが、何よりも大きな収穫だった。そして、一切リハーサル無しでのぶっつけ本番だったにも関わらず、長年に渡って多くの時間を共に過ごしたチームの阿吽の呼吸は、DJ AKiの意図を言葉なくして感じ取ってくれるプロフェッショナルなメンバー達のおかげで、台本が無い大舞台で逆に緊張感が産まれて、よりライブ感が高まったのは間違いない。DJという職業は、フェスのような屋外の大きな場所で1人で出来る表現に限界があって、周りでサポートしてくれる人々がいてくれるからこそ、DJのみで出来ることの表現力との大きな違いが発生して、彼らが居てくれたからこそ今回のステージが完成した。自分は本当に優秀な人々に囲まれて、恵まれていると改めて心に沁みる時間になった。

もちろん、この日を目指して UMFに足を運んでくれた人々のサポート、 今回の出演機会や手厚いホスピタリティーを与えてくれた、AVEX及び、UMF関係者には多大な感謝と共に、この経験を糧に更に飛躍したいと考えている。長いようであっと言う間だった20年のDJキャリア。今はまだ夢の途中。今回の UMFを新たなスタート地点と捉え、DJ AKiはネクストレベルへ踏み出すので、これからもよろしくお願いします!! 

Massive Shout to : Fukagawa (Avex), Takeo,Itti (High Concept), Sabi,K2hg(9B), Momoi,Keisuke,Kana(Womb), Fai Aoyama , Seigo Kamiyama(3 faiths DJ School)


2016-07-23

音楽の都ウィーンレポート


7月7日七夕から、3泊5日の強行スケジュールで、約3年ぶり4度目となった音楽の都ウィーンへ訪れた。今回の旅の大きな目的は、オーストリアの首都ウィーンのドラムンベースシーンを牽引する、MAINFRAME RECORDINGS 主宰、DISAZTことダニエルのパーティーが14周年を迎え、そのアニバーサリーパーティーへ招聘してくれて DJをするミッション。しかも、3日で3ギグという中々過酷なスケジュール。過去3度訪れたウィーンのうち2回は、BEATPATROLという大型フェスティバルのドラムンベース・ステージに出演させてもらい、その規模とヨーロッパのダンスミュージックフェスティバルの現状を体感する貴重な時間を過ごし、オーストリアで高い志を持って、シーンに貢献する彼の熱意に共感し、そこからウィーンとのご縁が続いている。

東京成田から11時間のフライトをへてウィーンに到着したのは、夕方の16時。不幸な事に、ダニエルは前週に不慮のアクシデントで、左肘の腱を断裂して車の運転が出来ず、代わりにドライバーのベネが迎えに来てくれた。いきなり懐かしい顔のお迎えは嬉しい。ウィーンは空港から市街地が比較的近く、程なくホテルに到着すると、早速ダニエルから連絡があって、今夜はEUROの準決勝フランスvsドイツがあって、観戦したいからパーティー前に一緒に見ようと誘われ彼の家に到着すると、早速ゲーム開始。用意してくれたディナー中に、フランスのPKが決まると、街中から大きな歓声が沸いた。ヨーロッパの人々にとってEUROはお祭りで、みんなが観戦していて、彼もドイツに50ユーロ賭けてるんだと言っていた。試合が終了して、1日目のパーティーが開催されるベニュー”FLEX”へと向かった。いかにもヨーロッパな佇みで、沢山の人が賑わう川のほとりに位置するFLEXは、ウィーンの老舗クラブで、到着すると木曜日とは思えないほどフロアーはパンパン。バックステージに行くと、VIPER RECORDINGSに所属するKOVEN 2人がこの日のメインアクトで、初めて彼らと出会った。KOVEN前の良い時間にDJを始めると、満員のフロアーの反応が信じられないほど良くて、上げれば上げるほど、フロアーのテンションが高くなって、ウィーンってこんな感じだったかな?と思いながらも、NOISIAの楽曲で、ここまで過剰に反応するのか!?と正直驚いた。1時間終始がっつり掴めた手応えがあって、3年で随分シーンの様子が変わったなと思いつつ、ダニエルがかなりDJが良かったから、土曜日のアニバーサリーは、メイン前の重要な時間帯にDJしてくれと、いきなりタイムテーブル昇格。そして、やる気が更に高まった。
翌日2日目は、以前訪れたことがある、湖のほとりにあるダニエルのご両親の家でお昼からバーベキュー。今年の夏の初めてのBBQがウィーンになるとは想像も出来なかったけど、ビールから始まって、白ワイン、シュナップスというオーストリアのハードリキュールのショットの連続投下で昼間からベロベロで時差ぼけも伴って撃沈。オーストリアの母の味はとても美味しく、最高のランチで満腹になり、湖でお昼寝してから、ウィーンから車で約2時間のヤッブという町に移動。到着すると、そこは、Disco Excaliburというどう見てもいわゆるディスコ。こんな感じのベニューで、ドラムンベース大丈夫なのか?と思いつつも、ここもフロアーのテンションの熱さが、どっから見ても非常に良くて、むしろ上げなMIXと曲を求めているフロアーが意外。日本のディスコでここまでハードなドラムンベースをプレイしたらみんな帰っちゃうでしょ?の真逆。その感覚が嬉しくもなんでここまでドラムンベースに対するオーストリア人の反応が良いのか?謎なまま、再び2時間車に揺られてウィーンに戻って、翌日の本ミッションに備えた。

ウィーンに到着して間もなくその夜にDJをして、翌日は往復4時間の車移動をしてDJの流れで、あっという間に3日目に突入すると、それは当然疲労が。。。この日の出演者で集まるディナーまで、じっくりと睡眠を取って、この2日間で感じたオーストリアの人々の反応を思い出しながら、選曲とMIXを考え直し最終的な調整をして、データをUSBに移行して気合十分でディナーに向かうと、ニュージーランドの古株プロデューサーTREIと、ロシア人ながら、RAM RECORDSからのリリースで、一気にその名をシーンに轟かせたTEDDY KILLERZ。そして、CAMO & KROOKEDに続き、オーストリアのシーンで頭角を現し、この日のパーティーのメインアクト”MEFJUS”等と食事をして、世界各国のドラムンベースシーンの現状を沢山聞くことが出来て、現状を把握出来た。皿よりも大きい老舗オーストリア料理屋の郷土料理、シュニッツェル & クランベリーソースも美味しくて、みんな残しているけど、完食して、この大きさのシュニッツェルを全部食べたやつ初めて見たよと驚かれながらも、食べないと良いプレイは出来ない!と考える自分としては、十二分に満足な食事が取れて更にテンションが上がって、この日の会場、ウィーンアリーナへ到着。まだ24時前にも関わらず、そこは人、人、人。何と3,000人のクラウドが待ち構えていた。正直ダニエルのパーティーMAINFRAMEに3年前に出演した時の規模感は、ほぼ06Sと同じサイズだったのに、この数年で3倍以上に膨れ上がっていた。この事実は正直衝撃的で、分かりやすく例えて言うならば、06SをageHaのアリーナで開催してフロアーも通路もパンパンになっている状況。聞くこところによると、この現象はヨーロッパ中に起こっていて、各クラブパーティーや、ドラムンベースに特化したフェスティバルが各国で開催され、何万人も人が集まる盛り上がりで、数年前には考えられなかったけど、確実にヨーロッパでのドラムンベースムーブメントは、他ジャンルを凌ぐ勢いをみせているらしい。フロアーには3,000人の熱いフリークたちが待っていると考えただけで、武者震いがしたよ。TreiからDJをパスされて、出だしからスタートダッシュを完璧に決めると、フロアーは大爆発。過去2日間の各クラブでの反応から、とにかく攻めて攻めて攻めまくるほど、お客さんが喜ぶ姿が印象的だったから、休みを出来るだけ与えない再構築した1時間セットでそのまま駆け抜けた結果、各所からかなり高い評価をもらえて、今回のウィーンは来るべきしてきたんだ!!とジワリと心にしみる程感動的な時間が過ごせた。本当に自分が愛する音楽を、真剣に完全アウェーのヨーロッパでプレイし、その音や自分のDJに完全にスマッシュされて、信じられないほどの人たちが狂喜乱舞する光景をDJブースから眺める快感。今回のその快感は今までにない、完全に新たなステージへと自分が足を踏み入れてしまったんだと、その現実を身をもって知った。なぜここまでこの短期間でシーンが拡大したのか?それは自分のパーティーやシーンを拡大させる為に大きな要素で最も知りたいポイントだから聞いてみると、やはりヨーロッパ出身の優秀なプロデューサーが何人も現れたこと。もちろんこの日のメインアクトは、MEFJUSだったが、彼はある意味ローカルスターで、外タレでは無い。そこがやっぱり大事なポイントだし、オランダの王者、NOISIAが驚異的にシーンに与えている影響力がかなり強いそうだ。そして、REDBULL発祥の地はオーストリア。MUSIC ACADEMY等に代表される音楽を強力にサポートする企業が目の前にいるのも大きいらしく、ダニエルのレーベルの曲はRED BULLのAPP内で全カタログ聞けると言っていた。聞いて思ったけど、正にそれらの要素は日本にかけているところで、数多くのローカルスター出現は、切っても切れない話で、日本でも強化すべく、また自分のレーベルを再開しようと思ったし、今回のウィーンの旅で学んだことは非常に大きかった。最高の舞台を与えてもらって、DJプレイ自身も覚醒したから、DJとして自分はヨーロッパでやっていける!と確信と自信が持てたのは、とても意味があり、もっともっと海外に攻め込んで結果を出していきたい欲求が高まっている。今後は、自分がやるべきことを更に極めて、海外を攻めていこうと決意したので、遠征組は海外渡航用の資金を貯金し始めてくださいね。



2016-07-06

グアムレポート _ Electric Island Festival 2016

人は過去の経験によって、未来の自分の身に起こりえる事柄をイメージし、その想像に伴った状況に最善の形で対応出来るように、自分がすべき案件を実行する生き物である。自分の仕事はDJで、演者として過去20年のキャリアで、全くぶれる事なく、そんな想いと共に、フロアーに足を運んでくれる人々に対して自分のベストを尽くすべく、目の前で待っている1つ1つのギグと真剣に向き合い挑んで来た。しかし、時に自分の想像を遥かに超える想定外の現実が待ち構えている事もあって、大きく感情を揺るがされ、良い時も悪い時も想定外な状況が心にダイレクトに刺さる、そんなエモーショナルな感覚が好きな上に、自分が知り得ない場に足を踏み込む行為自体が病みつきになっているから、この仕事を継続しているのかも知れない。このブログを書いている10日前に、1年ぶり2度目のグアムに訪れ、Electric Island Festival 2016(以下EIF)に出演したが、グアムで感じ取った今回のこの感情の揺れは、正に想像の範疇を遥かに超える壮絶な経験になった。

ご存知の通り、グアムは日本から最も近いアメリカで、成田からわずか3時間のフライトで到着してしまう近距離な、とても利便性の高い南国の島。沖縄に飛ぶような時空間なのにも関わらず、入国の際にESTAを取得したり、当然パスポートも持参しないといけない海外。昨年初めて訪れて、ニューヨークに長年住み続けてしまった自分としては、こんなアメリカが存在するんだなと、3日ながら滞在して知った。そんな短時間ながら経験したグアムでの時間によって、今年訪れるグアムでは自分が何をすべきか出国数日前から昨年の時間を思い起こしながら考えていた。EIFは過去にグアムで4回ほど開催されたフェスティバルで、WOMBがコラボレーションする事が決定し、そのフェスティバルの前夜祭、アフターパーティーに出演させてもらって、自分が出演した舞台は、EDMがメインのフェスティバルでは無くて、小さなクラブやビーチパーティーだったけど、今年は有難い事に、EIF自体が2日間に拡大して、1日目のメインステージが、BASS MUSICを軸に開催され、そのステージのトリとして出演オファーが届いた。正直な所、果たしてグアムのダンスミュージック・フェスティバルで、ドラムンベースが受け入れられるのか? 全く想像が付かず、1日目の最後の時間帯は、メインステージであっても、フロアーに誰も人が居ない可能性大なリスクを伴うオファーであったけど、昨今のアメリカやヨーロッパで起こっている、BASS MUSICのムーブメントを信じて、媚びずに自分がやりたいパフォーマンスを悔いが残らないように、全力でやり切ろうと心に決めていた。しかし、出国前日は、朝方までDJ AKi STREAMのfacebook配信の検証をしたり、もちろんグアムでのセット組みに時間を費やして、一睡もせずに飛行機に搭乗し、わずか3時間のフライトで十分な睡眠も取れず、夕方にグアムに到着してからも、前乗りしていたスタッフ達と合流し、深夜1時半からの出演まで、わずかな仮眠と、食文化が乏しいグアムの食事を胃に押し込んで、会場へと向かった。
ベストコンディションとは言い難い状況で会場入りしたけど、今年のEIFは、会場がレースサーキットへと場所が変わって、昨年よりも高台に位置する環境には、心地良い風が流れていたけど、夕方からパラパラと雨が降り、サブステージや、VIPエリアに人が溜まっていたのもあって、早めに会場入りした際は、メインステージのフロアーにはそんなに人が居なかった。でも、次第に雨も収まり、時間が経つにつれて徐々に客足も増えてきた。久しぶりの海外での屋外フェスティバルの雰囲気も楽しみつつ、昨年お世話になったEIFクルー達との再会を楽しんでいると、あっと言う間に自分の出演時間になって、ステージに立った。いつもの06Sでのプレイのように、勢いに任せスタートダッシュを試みると、こんなに人が居たかな?と思うほど、フロアーに人が集まってくれて、次々にドロップする曲とMIXに対する反応が信じられないほど良くて、自分のコンディションなんて、全く忘れてしまうほど、テンションが高まり、フロアーは、昨年出演した大型フェスティバルUMF JAPANやRe:Animation 8のDJで感じ取った感覚を鮮明に思い出すような、DJブースからは数え切れない人が狂喜乱舞するフェスティバルならではのバイブ。フロアーから跳ね返ってくる波動の勢いが凄まじく、グアムでこんなにドラムンベースが刺さるのかよ~!と思いながら自分のDJタイムをかなり満喫させてもらった。そして、一瞬に感じるほど90分のセットを終了すると、1日目のフェスは終了し、程なく別テントで、お疲れのビールを飲んでいると、怒涛のスコールが。もうこのタイミングで雨かよ!と思うほどの豪雨に見舞われたが、いつもの通りDJ AKiは、一滴も濡れる事なく、帰路のバスに乗れるという奇跡が再び。グアムでも晴れ男伝説再びだったので、本当に悪い事は言わないですが、屋外フェス企画中の方は、是非てるてる坊主の代わりにDJ AKiのブッキングをお勧めしますw


グアムは、アメリカだし、このグアムのフェスの運営がLAのチームだったりもするので、DJの反響が凄まじく良く、LAやハワイのプロモーターからも、声をかけてもらえて、アメリカ本土に上陸する日も、そう遠くなさそうだ。結局はどれだけ本領を発揮し、結果を残し、どう評価してもらえるのか。DJは1発1発のギグを真摯に向き合って、常にど真ん中に直球を投げ込むのが、最も大事だと改めて痛感した。そして、心から嬉しかったのは、DJ AKiを常に全力で応援してくれて、地方遠征にも応援に来てくれる、ケイコ会長と、サオリン副会長がグアムまで駆けつけてくれた事。もう彼女たちのパッションに感動だし、異国の地で見たDJ AKiを更にサポートしますよ!と言ってくれたのは、彼女たちあってのDJ AKiだと更に感じました。彼女たちを筆頭に、もっともっとそんなサポーターが増えてくれたら幸いだし、これからは、自分のエゴでは無く、みんなで作り上げるプロジェクトをより強化し、もっともっと海外に進出したいと、心に強く決意したグアムでした。


2015-11-07

リアニは完全未来型フェス

まだ見ぬ人々の前でDJをして、自分の大好きな音楽の魅力を知ってもらいたい。そんな想いで長い時間DJをコツコツと続けているけど、先週日曜日に開催されたRe Animation 8(以下リアニ8)は、いつも遊びに来てくれる人々以外にも、今まで DJ AKiを見た事が無い沢山の人達にDJを見てもらう最高にエキサイティングな機会になった。会場は、中野区役所前とサンプラザ中野前の広場。もちろん昼間のデイイベントで、入場無料のフリーパーティー。フェスティバルの運営費は、クラウドファンディングで約500名からの寄付が集められ、運営スタッフはボランティア。今まで聞いた事や例の無いこの企画自体がとにかく画期的で素晴らしく、このプロジェクトに賛同し、支援する人達の愛が凝縮されたフェスティバルで、本来多くの人達が集まって祭りを楽しむ人間のプリミティブな部分から湧き上がる素直や気持ちや形、これからのフェスティバルが向かうであろう未来を強く感じた。音楽的な側面や集まっている人々の多くは、所謂オタクと呼ばれるジャンルで、日本を代表する文化であるアニメーションに関わる声優さんや、音楽家、またオタクシーンやサブカルのフィールドで活動するDJ達が集結していて、そもそもこのフェスティバルから自分に声がかかった事がとても興味深く嬉しかった。

自分も日本人に生まれただけに、当然のようにアニメーションを沢山見て、様々なゲームをして育ったから、自分もオタク的要素を多く含んだ人間で、オタクと呼ばれる人々や、そのムーブメント、カルチャーに対して素直に肯定的で、むしろ彼等の自分が好きな物に対する誠実で生真面目な考え方や人間性、生き方は、とても好意的で、オタクの聖地秋葉原のMOGRAでDJを年に1度DJさせてもらっているだけに、その熱量は身をもって体感しているけど、リアニはその規模とフェス感が、ある意味9月に出演した最大の商業的フェスティバルUMFとは真逆で、その手作り感や暖かみが凄く印象的で微笑ましく、あのフェスが現実的に開催出来ている事が奇跡的で素晴らしく、DJをしていてもかなり心地良かった。

DJオファーをもらってから、アニソン満載のフェスティバルでどんなDJをするべきか?熟考したけど、オタクな人々の勤勉な性格によって積み上げられている音楽的知識を刺激したかったし、こんな時こそ、よりDJ AKiやおよそ15年続く06S らしさを表現したいと考えた。最新で最先端な音であっても、出来るだけ伝わりやすい楽曲を50分に40曲選び抜いて凝縮したDJセットは、1曲1曲手に取れるほど反応が良かったし、むしろその反応の良さが想像以上で、MIXを繰り広げる度に、フロアーの揺れが増していってあっと言う間に50分が終わってしまった感覚だった。そして、今までに未体感だった経験を与えてもらったお陰か、DJセットの最後にテンションが高くなって、MOGRAの門番で、元WOMBのセキュリティーだったドラムンベースが大好きなヤスさんに、幼少期の頃に父親にしてもらった以来の肩車をしてもらってフロアーを練り歩いてもらって最高に楽しかった。ラグビーで鍛え抜いた巨漢のヤスさんの乗り心地は、安定感ある高級車のようでクセになりそう。御神輿に乗る祭り好きな近所のおじさんみたいなったけど、記憶に残るモーメントでした。

リアニ8の関係者や、参加してくれたみんなに感謝しつつ、リアニ8の明るい未来に大きな期待をしています。そして、これからもDJ AKiは躍進していきますので、応援よろしくね。