2011-08-25

やっと辿り着いた新たな DJ 機材

選択肢が沢山ある現在の D J シーンで、何を使って DJ をするか? レコード?CD? SERATO? TRAKTOR? DJ にとって重要かつとっても悩むポイント。16年前に DJ を開始した時は、もちろんレコードで DJ をしていたし、ジェラルミンのレコードケースに、100枚近いレコードを入れて、重たいバッグに右往左往していた、懐かしい修業時代。DJ プレイがある前日は、試合前の部員がボールを磨く様に、針飛び防止と、レコードのコンディション確認もあって、1枚1枚ピカピカになるまで磨いていた程、レコードに対する愛着はとってもあった。そして、当時はまだ CDJ すら存在しなかったから、CD で DJ をする概念なんて全く無かったし、15年後に DJ 機材や DJ シーンがここまで変革するとは、想像すら出来なかった。


2000年に日本に帰国して、レアなレコードが中々入手出来ない状況もあったし、チャットを通して海外のアーティスト達から音源のデジタルファイルが直接自分の手元に届く様になって、CD プレイヤーの登場もあり、当初は CD とレコードを併用して DJ をしていたけど、ここ数年は CD だけのプレイスタイルが続いていた。でも、CD になってから針飛びの心配が無用になってプレイが安定したけど、毎回 CD を焼く手間や、DJ ブースに散乱する CD に嫌気が差していたのも事実。そんな状況下、数年前に登場したのが、SERATO や TRAKTOR に代表される PC を使った DJ スタイル。多分実際使っている DJ を1番始めて見たのは、RICHIE HAWTIN だったかなぁ。一体どうやって音が鳴っているのかも分からない程、概念が新しくて興味を持ったけど、少しづつドラムンベースのアーティスト達も SERATO にスイッチして、ダププレート王の、FABIO、BRYAN GEE、DJ HYPE までもが移行したのは、大きな衝撃だったし、時代の流れを強く感じた。確かに2、30回プレイしたら音が劣化する上、1枚1万円近くするダブプレートをたびたびカットしてたら破産しちゃうよって FABIO が言ってた事があったけど、これだけ大量の新曲が世に送りだされている現状だと、簡単かつコストのかからない SERATO 等に移行するのは自然な流れだと思う。


でも、個人的な考えとして、パソコンを現場に持ち込むのが、何故かどうしても嫌だった。パーティー中にブースでお酒をこぼす人も一杯いるし、実際プレイ中にトラブルが起きて、音が止まってしまった事も何度も見てきた。その上今は、大分改善されたといえ、音質がどうも好きになれなくて、パソコンを使った DJ へと移行出来ない現状だったけど、そんな自分の悩みをすっかり解消してくれたのが、Pioneer CDJ-2000 の登場。もう何シリーズもリリースされている Pioneer の CDJだけど、2000は正に最新機種。音源をオーガナイズするソフト"rekordbox"に楽曲を放り込んで、USBスティックにデータを移行。現場で2台の CDJ 2000 を LAN ケーブルで接続して、USBスティックさえあれば、超簡単に DJ プレイが 出来る優れもの。PCトラブルも無ければ、何よりも自分が好む Pioneerのミキサーとの音質の相性が抜群。そして、CD を抜いたり差したりする動作が無くなった事で、プレイ中の自由度がグッと増して、パフォーマンスが向上した。 やっと辿り着いた新たな DJ スタイルと言い切れちゃう程、機材が変わると、ここまで大きな違いが産まれるんだなぁと思うし、何よりも LANケーブルとCDJ 2000を現場に用意してもらえば、USBスティックとヘッドフォンさえあれば DJ が出来るという利便性は完全に時代を変えてくれた。現在既にUSBスティックに、新旧400曲の楽曲が入っていて、いつでもどこでも身軽にウキウキしながら DJ に行ける。それ以外にもBPM表示がコンマいくつまで表示されるからピッチが簡単に合わせられるし、操作性が高いから、DJ の上達が間違いなく早くなると思うので、これから DJ を始める人には是非試して欲しいシステム。オススメです。

2011-08-16

最近DJで感じる事

6週間続いた週末の DJ GIG も、先週末は久しぶりのオフ。実家や先祖のお墓参りに行こうと考えてたけど、日曜日に撮影が入って、今週末行かなくてはと思ってる。母親の墓はほぼ毎月訪れているし、先祖の墓参りは必ず、盆と正月に訪れる。何故か若い頃からこの習慣があって、先祖を敬う事が、ある意味自分の宗教なのかも知れない。人生が上手くいって無いなぁと思う人は、先祖の墓参りに行って、お墓を徹底的に綺麗に掃除してごらん。不思議と身も心もすっきりするから。


DJ の話に戻すけど、震災以降 DJ をしてお客さんから跳ね返ってくるバイブや、フロアーの様子が大きく変わったと身を持って感じている。音楽を今まで以上に楽しむのはもちろん、お客さんの弾けっぷりがかなり高くなった。ドラムンベースの DJ としては、有り難いリアクションで、みんな震災で見失いそうになってしまったこの世界から自分を取り戻すかの様に、その場を出来るだけ楽しもうとするその様子は、この先のシーンに大きな変革が起きる予感がしてならない。特に自分のWOMB でのパーティーや、ageHa Box でのパーティーバイブは、今まで見た事無いような驚愕な雰囲気。ここには、大きな意味があると思う。


2週間前は大阪名村造船所跡地で開催された"The star festival"に出演したけど、震災の影響をほぼ受けなかった関西なだけに、最近東京で感じるあの独特な激しいバイブでは無かったけど、大阪は今心斎橋周辺のクラブの状況が良く無いのもあって、夜遊び難民が沢山存在しているから、久しぶりのダンスミューックを心から堪能している様子があった。年内にそれぞれのクラブが通常の営業を出来る様に、心から祈っているし、東京とは違った独特な大阪の雰囲気もある意味新鮮だった。


先々週は、熊本で DJ をした。東京、大阪の DJ GIG が終わってから訪れただけに、東京、大阪との温度差を激しく感じた。震災の影響も無かったし、大阪のような問題も起きていない熊本のバイブは、とても緩くて、まるで違う国で DJ をしているかのようだった。東京と大阪が大きく変化したのに反し、特に大きな変化もなく、平和な日常を繰り返している熊本が逆にピュアに感じられたけど、同じ日本であってもこれだけ、全く違った人々の反応や、パーティーバイブに色々と考えさせられた。


自分は DJ で、音楽の力によって、人に喜びや楽しみを与え、様々な人とコニュニケーションを取って、みんなを踊らせるのが仕事。受け手側の心境や環境が違うと、ここまで同じ曲に対する反応も変わってくるのかって身に染みたし、そんな状況を瞬時に判断し、その土地やその人々にマッチした音楽を提供しないといけないと、東京、大阪、熊本の DJ で痛い程感じた。今までこの感覚を深く認識し、実践していたのか?自問自答しているけど、1流の DJ だったら、そんな事は当たり前のことで、この曲をかけていればみんな喜ぶだろうと、自信を持ってプレイしても、そこにおごりがあってはいけない。どんな状況だろうと臨機応変に自分のスタイルを保ちつつ、状況に合わせたパフィーマンスをしていかないとなぁと考えさせられた、6週連続の DJ ツアーだった。

2011-08-02

SHIMON & DISASZT

毎日気温の変動が激しくて、体調を崩してる人が沢山いるけど、みんな大丈夫かな? 自分も疲労とこの気候で、持病の胃潰瘍がうずいてるようで、久々に病院行って、点滴に鎮痛剤で何とか痛みを緩和させて、頑張ってるよ。昨日熊本から東京に戻ったけど、何とか体調も復調しつつあるかな。とにかく、みなさん、体調管理だけはくれぐれも気をつけましょう。


さて、86日今週土曜日に開催される 06S!今回はゲストアーティストに、SHIMON と DISASZTを迎える。ANDY C 主宰のイギリス最大大手のドラムンベースレーベル"RAM RECORDS"の黎明期からレーベルを支え、"BODY ROCK" に代表される数々のアンセムチューンを世に送りだしてきたSHIMON。約4年前から自身のレーベル""AUDIO PORN"をスタートさせた。エレクトロサウンドを意識し、ドラムンベースに限らずダブステップや、テクノもリリースし、今年の9月には、ドラムンベース界の歌姫 "TALI" のアルバムもリリースを控えている。12曲に及ぶアルバムは、様々なジャンルに渡ってプロデューサーが参加し、盛り沢山な内容になっている。

また、フランスから飛び出した4人組のドラムンベースユニット"DIRTY PHONICS"や、斬新なトラックスタイルで、頭角を現した"XILENT"まで、数々の若手プロデューサーを多数発掘し、シーンに紹介し貢献している。独特な兄貴的なキャラクターで、多くの人々から愛されているSHIMONだけど、昨年は彼の家に3泊ほど滞在して、曲作りの極意や、






スタジオワークのコツを伝授してもらったけど、シーンを牽引して来た1流の技術と、彼自身の人柄から学ぶ事は多く、大好きなプロデューサーであると同時に、人としても素晴らしいSHIMON。ANDY C の奥さんの実の兄貴だけあって、ANDY に強くモノが言える希少な存在。多大な親日家でもある SHIMONとの再会が今から心待ちだ。


そして、もう一人のゲストである、DISASZT は、オーストリアのウィーンを拠点に活動し、ヨーロッパで最大級のドラムンベース・屋内パーティー"MAINFRAME"を5年に渡って開催し続けている。昨年自分も参加したヨーロッパ最大級のダンスミュージック・フェスティバル"BEATPATROL"のオーガナイズにも関わり、昨年は、フェスティバル内に、SHIMONのレーベルと提携して、AUDIO PORN ステージを設置。ドラムンベースエリアだけでも、軽く4,000人を越える大盛況で大成功を収め、ヨーロッパに拡大するドラムンベースの勢いを証明させた。今年の7月には待望の初アルバム"SHADOW & LIGHTNING"もリリース。ダークハードコアを軸に、様々なプロデューサーとのコラボレーション楽曲も収録されているので、こちらも要チェック!


本来なら4月に来日が決定していた彼等の来日も、震災の影響で8月へとスライドしたけど、今月彼等が無事に来日してくれるのを心待ちにしつつ、お馴染みのSHIMONと、初登場の DISASZT が、どんなプレイを見せてくれるか、期待したい。また、DJAKi STREAM も 8月4日22時より配信。 SHIMON と DISASZT が出演してくれるから、彼等の今後の活動等をインタビューしたいと思うので、こちらもお楽しみに!ディスカウントゲスト(¥2,000)を受け付けるので、フルネームと希望の人数を、DJAKi facebookアカウントまで、メールしてね!待ってまーす!