今回のアニバーサリーを記念して来日してくれたANDY Cは、元々アジアツアーが丁度この5月に綺麗にはまる案件だったのもあって、最高のタイミングで来日してもらえて、共にこの大きな節目を祝えられると、半年以上前から決定していたんだけど、2ヶ月前に連日連夜世界中からオファーが絶えないDJブッキング調整が困難になり、スケジュールの都合が厳しくなったのが理由で、アジアツアーのキャンセルの通知が届いていた。代替えのアーティストも考え無いといけない状況になっていて、2ヶ月前にアニバーサリーに見合う大物DJをブッキングするのは、もちろん不可能な上、彼以外思い当たるアーティストが居ないのもあって、本マネージャーでもある、RED ONEに直接自分から懇願した。WOMBもリニューアルして環境が格段に良くなったし、06Sの15周年は是が非でもANDYに来て欲しい。仮にアジアツアーは無理でも日本だけには来てくれないか?と。すると半ば諦めていたブッキングは好転して、AKiがそこまで言うならと、最終的に東京と大阪、2日間の日本ツアーが決定した。最後まで諦めずに出来る限りの手を尽くしてくれた、WOMBブッキング担当で長年に渡って交渉役を務め、サポートしてくれている、初芝カナちゃん。オーガナイザーとして多くの調整をしてくれるケイちゃんとサブ。現場を常に円滑に運営してくれる桃井さん。どんな相談にも真剣に乗ってくれるk2hgとタケオパパには感謝以外の言葉が思いつかない。簡単なようで、それだけジャンル問わず世界を股にかけてシーンを牽引するようなトップDJを、極東島国日本に招聘するのは簡単では無く、そこにも15年間で積み上げてきた今までの友好的な信頼関係が存在している。
そんな奇跡的に成就したブッキングによって来日してくれたANDY C。自分自身も06Sの12周年記念に来日してくれた時以来のDJプレイで、この3年間海外で見られる機会が無かった分、どんなプレイを体感出来るのか?期待しまくっていたけど、ドラムンベース界の絶対的王者と形容するに相応しいDJプレイだったのはもちろん間違いない。日本に来日するまで9日間連続でヨーロッパのギグをこなし、今回の日本は2日間だけの滞在で2ギグ。これほど人気があって忙しいドラムンベースDJは他に存在しないし、体力的にも精神的にも、そんな過酷なスケジュールを乗りこなせる人間自体そもそも居ないんじゃないか?と容易に想像出来るけど、そんな心配は全く無用で、今回の2時間は完璧と言うに相応しいDJセットだった。まだ聴いたことが無いカッコイイ!と素直に思える曲と曲のダブルドロップによって醸し出されるマッシュアップ感満載のMIXに、往年のヒットクラシックチューンも絶妙に差し込む連続投下は驚愕の連続で、学ぶ的要素がふんだんに詰まりまくっていた。彼のDJ機材のセットアップは、Traktor使いでアレン&ヒースのミキサーに、3台のターンテーブル。まるでシンク機能を使ってるんじゃないか?と疑ってしまうほどのピッチコントロールに、ミキサーの特性を熟知した絶妙なフィルター操作。緻密な計算によって次々と繰り出されるはめ殺し的テクニック。ドラムンベースを知り尽くした知恵。15年以上にわたってトップDJとして君臨し多くのステージで積み上げた経験値。全てが一体になって表現される音がANDY Cたる所以を決定的に見せつけられた。でも、昔はもっと曲芸的な強引なMIXも多かったけど、今回は程よいロングブレイクを多用しているのもあって、この3年で大分違った印象を受けたのもあって、パーティーが終わってからANDYに問いかけた。セットの印象が以前と大分変わったのは、彼自身がここ数年敢行している6時間ロングセットや、世界中の大型フェスに出演し続けている影響があるのか?と。答えはYESで、15歳でセンセーショナルなデビューを飾ってトップランナーとして走り続けている彼も、既に40歳になり、若かりし頃は、ガンガンに攻め込むセットを組み込んでいたけど、最近は感情に直接響くようなエモーショナルな音もしっかりプレイしたいし、ステージやクラブが大きくても小さくても自分はDJをするのが心から好きだから、常に同じ気持ちで挑んでいると。本当にプロフェッショナルなドラムンベースDJだと思ったし、AKiこの15年間180回も良く日本でパーティーを続けてくれたね。Ram Recordsの為とかでは無くて、ドラムンベースシーンにとって、この東京でのパーティーは重要で本当に尊敬に値するし、ありがとうと語ってくれた。絶対的王者からのこの言葉で、この15年が報われた想いがしない訳が無い。
日本にドラムンベースの魅力をもっと伝えたい。こんなに素晴らしい音楽があるんだ。そんな気持ちで仲間と15年前に開始した06S。今回はノルウェーに移住した MY MCのYUUKIが居てくれたのも、やっぱり最高だった。彼は俺がして欲しいことを全て現場でフォローしてくれる。やっぱりYUUKiが居ないと06Sじゃないなぁとか考えながら、自分のセットが終わってみると、山のような思い出と共に迎えたパーティーは、一瞬で終わってしまった。終了の朝5時を迎えても沢山の人が楽しんでくれている情景は、心から美しいと感じるし、DJとして出演してくれたSIMO、VELOちゃん、もちろん参加してくれたみんなには心から大きな感謝です!本当にどうもありがとう!! これからもみんなと共に5年、10年、15年と歩んで行きたい欲求に満たされた、死ぬまで記憶に残る大きな夜でした。
P.S. パーティー最後の朝5時の模様を360度カメラで撮影した映像がこちらで見られるので是非 → https://www.facebook.com/djaki.tokyo/videos/10154154329842329/
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