2015-05-04

14周年は通過点


1つの目標をクリアーすると、そこにまた新たな道が産まれる。自分の人生は全く平坦では無くて、アップダウンがかなり激しいジェットコースターのようだけど、DJに関しては人生と違って、常に目標と熱い気持ちが沸々と湧き出て、その繰り返しがもう20年近く経過している。先週土曜日の 06S 14周年記念パーティーは、みんなと盛大にお祝い出来て、喜びと幸せに満ち溢れた至福の時と形容するに相応しい夜で、自分の気持ちは、かなり高い位置に登り上がって無事に幕を閉じた。


スペシャルゲストとして約3年ぶりに再来日してくれた RONI SIZEは、音楽シーンに多大な影響を与えたアーティストで、ドラムンベースのみならず、現在活躍している様々なジャンルの音楽プロデューサー達に尊敬されていると言っても過言では無い。パーティー前のディナーでは、06Sの前日の卓球さんのパーティーにゲスト出演した Christian Smithも同席してくれた。彼の主宰する ”Tronic” は、beatportにおけるテクノのカテゴリーで3番目に大きなレーベルへと成長していて、そんな彼も RONI SIZEと一緒に食事が出来るなんて光栄だよと言っていた。久しぶりに会った RONIはとてもご機嫌で、東京に戻って来た事を素直に喜んでいたし、彼の言動や1つ1つの動きを見ていると生粋のミュージシャンだなぁと感じる。色々と話せたんだけど、 「AKiはそんなに英語が話せたっけ?」と問われ、「そりゃあRONI SIZE位偉大で憧れていた人にはナーバスになって今迄ちゃんと話したり出来なかったんだよ」と言うと微笑ましい笑顔を浮かべていた。

初めて彼のショーケースを観たのはDJを始めてまだ間もない NYに住んでいた時代の1998年で、イギリスのMARCURY MUSIC 大賞を受賞した、RONI SIZEを象徴するアルバム”REPREZENT” のライブツアー in NYだった。ウッドベーシストとドラマーを従え、当時ブリストルで共に活動していた KRUSTや DIE、SUV等も一緒に登場するという、過去に見た事が無い新しい形のライブで、こんなドラムンベースのライブがあるんだ!!!と、とても革新的かつ衝撃的なものを見せられた印象が今でも強く残っている。そんな RONIの今回の06SでのDJセットは、素直に素晴らしい!と言える、バラエティーに富んだ選曲と構成で、CDJ4台をUSBで起動させて、シンク機能を使っているだけに、次から次へと展開させる矢継ぎ早なMIXを繰り広げ、凄まじく勢いがあって、彼の音楽性とキャリアを感じさせる貫禄のプレイだった。エフェクターもガンガン使うから、DJでありながらライブを観ているような感覚が味わえた。そんな特別な内容にも関わらず、90分の間で2回もトイレに行きたいと言う頻尿具合いで、トイレに連れて行く始末。用が済んでDJブースに戻る途中で女の子に声をかけてるし(笑) 何て自由な人なんだって思ったよ。でも、そんな彼の人柄は、あんなに偉大でありながらチャーミングだなぁと思わされる。絶対にそれは彼の持つキャラクターと人徳によるものに違いない。

自分のDJセットの自己評価は75点位かな? 正直もっとやれたなって感じていて、アニバーサリーで有りながら、前半はちょっとダークでハードコア過ぎたかな?とも思うし。でも、そんな激上げなテンションでも、前列3列目位は女の子達が沢山居て、ガンガン踊ってくれていたから、06Sを開始した当初の男汁全開時代とは随分変わったなぁと思いながらDJをしていた。そんな状況から、最後はいつものようにハッピーなバイブで閉められたし、及第点には達したと思っている。オープニングのDJ、SIMOはオジさん会社員でありながら毎週ラジオ配信しているだけあって、そこに集う仲間達から本当に愛されているなと思った。毎週続けるのは簡単な事では無いからね。RONI前にDJをした06SのサブレジデントDJの YMASAも、走り込みを感じた気合い十分のプレイで、もう5年06Sに出演しているけど、今迄で1番やり込んでいて良かった。とにかく1晩通して、しっかりとしたDJが良い音楽を流していて、充実したアニバーサリーになった事はとても満足している。今後も本気で06Sの為に、そして本気でDJをやって行きたい若い人達を出来るだけバックアップしてサポートする事に変わりは無い。 (SIMOはオジさんだけどw)

14周年記念パーティーが終わり頭に巡っている想いは、とにかく感謝という言葉につきる。DJはお客さんあっての仕事で、パーティーも同じく、誰も来てくれ無かったらもちろん14年も続けられない。14年という年月はとても長く、移り変わりの激しいダンスミュージックシーンにおいて毎月開催し続けているにも関わらず、06Sには未だに熱気と活気があって、そこに集まってくれる人の情熱や愛が溢れている。サポートしてくれるみんなは1人1人全く違う生活や環境で生きていても、06Sに遊びに来る事で、普段のストレスを発散しながら、全く違う人種であっても、好きな音楽の元、仲間の輪が広がっている状況を見ていると、とても素晴らしい事だと思えるし、そんなみんなは自分にとって誇りであり、感謝の想いが特に強い。これからこの輪がもっともっと広がり大きくなっていくように、DJ AKiはより精進しなければならないと改めて感じている。そして、この14年間不遇の時代からずっと寛容の精神と共に06Sを開催し続けてくれているWOMB及びスタッフへの感謝もとても大きい。ドラムンベースもWOMBも、そしてこのパーティーに集まってくれる人達に、もしも自分が出会って無かったら、どんな人生を送っていたんだろう?と考えても全く想像が付かない。

来月から06Sは15年目に突入するけど、感謝の気持ちと同時に、14周年はあくまでも通過点であるとも考える。まだ沢山やらないといけない目的や希望があるし、自分たちの手で明るい未来を切り開いていく事がとても重要だ。みんなと共に楽しめる時間と空間を今後も力尽きるまでやり通すのが、自分にとって最も大きな使命で、一歩一歩しっかり踏みしめて前に進んで行きたい。その為には、まだまだみんなからの愛がこもったサポートが必要なので、これからもDJ AKiと06Sをよろしくお願いします。

1 件のコメント:

きんた さんのコメント...

AKiさん感動しました!
14周年を迎えられたのは、お客さんはもちろん、AKiさんの感謝の気持ちが伝わってるからなんだろうなぁと思いました。
感謝する事って、ついつい忘れてしまいがちだけど、日常に溢れてる気がします。
私も色んな事に感謝して過ごそう!
そして、いつかDJAKiの輪に入りたい!!