2016-07-23

音楽の都ウィーンレポート


7月7日七夕から、3泊5日の強行スケジュールで、約3年ぶり4度目となった音楽の都ウィーンへ訪れた。今回の旅の大きな目的は、オーストリアの首都ウィーンのドラムンベースシーンを牽引する、MAINFRAME RECORDINGS 主宰、DISAZTことダニエルのパーティーが14周年を迎え、そのアニバーサリーパーティーへ招聘してくれて DJをするミッション。しかも、3日で3ギグという中々過酷なスケジュール。過去3度訪れたウィーンのうち2回は、BEATPATROLという大型フェスティバルのドラムンベース・ステージに出演させてもらい、その規模とヨーロッパのダンスミュージックフェスティバルの現状を体感する貴重な時間を過ごし、オーストリアで高い志を持って、シーンに貢献する彼の熱意に共感し、そこからウィーンとのご縁が続いている。

東京成田から11時間のフライトをへてウィーンに到着したのは、夕方の16時。不幸な事に、ダニエルは前週に不慮のアクシデントで、左肘の腱を断裂して車の運転が出来ず、代わりにドライバーのベネが迎えに来てくれた。いきなり懐かしい顔のお迎えは嬉しい。ウィーンは空港から市街地が比較的近く、程なくホテルに到着すると、早速ダニエルから連絡があって、今夜はEUROの準決勝フランスvsドイツがあって、観戦したいからパーティー前に一緒に見ようと誘われ彼の家に到着すると、早速ゲーム開始。用意してくれたディナー中に、フランスのPKが決まると、街中から大きな歓声が沸いた。ヨーロッパの人々にとってEUROはお祭りで、みんなが観戦していて、彼もドイツに50ユーロ賭けてるんだと言っていた。試合が終了して、1日目のパーティーが開催されるベニュー”FLEX”へと向かった。いかにもヨーロッパな佇みで、沢山の人が賑わう川のほとりに位置するFLEXは、ウィーンの老舗クラブで、到着すると木曜日とは思えないほどフロアーはパンパン。バックステージに行くと、VIPER RECORDINGSに所属するKOVEN 2人がこの日のメインアクトで、初めて彼らと出会った。KOVEN前の良い時間にDJを始めると、満員のフロアーの反応が信じられないほど良くて、上げれば上げるほど、フロアーのテンションが高くなって、ウィーンってこんな感じだったかな?と思いながらも、NOISIAの楽曲で、ここまで過剰に反応するのか!?と正直驚いた。1時間終始がっつり掴めた手応えがあって、3年で随分シーンの様子が変わったなと思いつつ、ダニエルがかなりDJが良かったから、土曜日のアニバーサリーは、メイン前の重要な時間帯にDJしてくれと、いきなりタイムテーブル昇格。そして、やる気が更に高まった。
翌日2日目は、以前訪れたことがある、湖のほとりにあるダニエルのご両親の家でお昼からバーベキュー。今年の夏の初めてのBBQがウィーンになるとは想像も出来なかったけど、ビールから始まって、白ワイン、シュナップスというオーストリアのハードリキュールのショットの連続投下で昼間からベロベロで時差ぼけも伴って撃沈。オーストリアの母の味はとても美味しく、最高のランチで満腹になり、湖でお昼寝してから、ウィーンから車で約2時間のヤッブという町に移動。到着すると、そこは、Disco Excaliburというどう見てもいわゆるディスコ。こんな感じのベニューで、ドラムンベース大丈夫なのか?と思いつつも、ここもフロアーのテンションの熱さが、どっから見ても非常に良くて、むしろ上げなMIXと曲を求めているフロアーが意外。日本のディスコでここまでハードなドラムンベースをプレイしたらみんな帰っちゃうでしょ?の真逆。その感覚が嬉しくもなんでここまでドラムンベースに対するオーストリア人の反応が良いのか?謎なまま、再び2時間車に揺られてウィーンに戻って、翌日の本ミッションに備えた。

ウィーンに到着して間もなくその夜にDJをして、翌日は往復4時間の車移動をしてDJの流れで、あっという間に3日目に突入すると、それは当然疲労が。。。この日の出演者で集まるディナーまで、じっくりと睡眠を取って、この2日間で感じたオーストリアの人々の反応を思い出しながら、選曲とMIXを考え直し最終的な調整をして、データをUSBに移行して気合十分でディナーに向かうと、ニュージーランドの古株プロデューサーTREIと、ロシア人ながら、RAM RECORDSからのリリースで、一気にその名をシーンに轟かせたTEDDY KILLERZ。そして、CAMO & KROOKEDに続き、オーストリアのシーンで頭角を現し、この日のパーティーのメインアクト”MEFJUS”等と食事をして、世界各国のドラムンベースシーンの現状を沢山聞くことが出来て、現状を把握出来た。皿よりも大きい老舗オーストリア料理屋の郷土料理、シュニッツェル & クランベリーソースも美味しくて、みんな残しているけど、完食して、この大きさのシュニッツェルを全部食べたやつ初めて見たよと驚かれながらも、食べないと良いプレイは出来ない!と考える自分としては、十二分に満足な食事が取れて更にテンションが上がって、この日の会場、ウィーンアリーナへ到着。まだ24時前にも関わらず、そこは人、人、人。何と3,000人のクラウドが待ち構えていた。正直ダニエルのパーティーMAINFRAMEに3年前に出演した時の規模感は、ほぼ06Sと同じサイズだったのに、この数年で3倍以上に膨れ上がっていた。この事実は正直衝撃的で、分かりやすく例えて言うならば、06SをageHaのアリーナで開催してフロアーも通路もパンパンになっている状況。聞くこところによると、この現象はヨーロッパ中に起こっていて、各クラブパーティーや、ドラムンベースに特化したフェスティバルが各国で開催され、何万人も人が集まる盛り上がりで、数年前には考えられなかったけど、確実にヨーロッパでのドラムンベースムーブメントは、他ジャンルを凌ぐ勢いをみせているらしい。フロアーには3,000人の熱いフリークたちが待っていると考えただけで、武者震いがしたよ。TreiからDJをパスされて、出だしからスタートダッシュを完璧に決めると、フロアーは大爆発。過去2日間の各クラブでの反応から、とにかく攻めて攻めて攻めまくるほど、お客さんが喜ぶ姿が印象的だったから、休みを出来るだけ与えない再構築した1時間セットでそのまま駆け抜けた結果、各所からかなり高い評価をもらえて、今回のウィーンは来るべきしてきたんだ!!とジワリと心にしみる程感動的な時間が過ごせた。本当に自分が愛する音楽を、真剣に完全アウェーのヨーロッパでプレイし、その音や自分のDJに完全にスマッシュされて、信じられないほどの人たちが狂喜乱舞する光景をDJブースから眺める快感。今回のその快感は今までにない、完全に新たなステージへと自分が足を踏み入れてしまったんだと、その現実を身をもって知った。なぜここまでこの短期間でシーンが拡大したのか?それは自分のパーティーやシーンを拡大させる為に大きな要素で最も知りたいポイントだから聞いてみると、やはりヨーロッパ出身の優秀なプロデューサーが何人も現れたこと。もちろんこの日のメインアクトは、MEFJUSだったが、彼はある意味ローカルスターで、外タレでは無い。そこがやっぱり大事なポイントだし、オランダの王者、NOISIAが驚異的にシーンに与えている影響力がかなり強いそうだ。そして、REDBULL発祥の地はオーストリア。MUSIC ACADEMY等に代表される音楽を強力にサポートする企業が目の前にいるのも大きいらしく、ダニエルのレーベルの曲はRED BULLのAPP内で全カタログ聞けると言っていた。聞いて思ったけど、正にそれらの要素は日本にかけているところで、数多くのローカルスター出現は、切っても切れない話で、日本でも強化すべく、また自分のレーベルを再開しようと思ったし、今回のウィーンの旅で学んだことは非常に大きかった。最高の舞台を与えてもらって、DJプレイ自身も覚醒したから、DJとして自分はヨーロッパでやっていける!と確信と自信が持てたのは、とても意味があり、もっともっと海外に攻め込んで結果を出していきたい欲求が高まっている。今後は、自分がやるべきことを更に極めて、海外を攻めていこうと決意したので、遠征組は海外渡航用の資金を貯金し始めてくださいね。



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