2015-04-25

メッセージを伝える意味



DJは人前で音楽をかけてる人でしょ?が一般的に認識されているよね?全然それは間違って無いんだけど、実際人前で2曲を繋いで何時間ものジャーニーを作るのは正直簡単では無くて、そこには深い色々な意味合いやテクニック、経験が必要だけど、大きな失敗をして痛い目を見たり、練習で出来る事も何故か本番だとうまく行かないのが DJというもの。もちろん音楽のチョイスもMIXもフロアーで踊ってくれる人達に対して臨機応変に対応するのも重要で、軽い気持ちのノリだけでは、人を楽しませる事は絶対に出来ない。自分は芸能人DJやモデルDJでは無いから、音楽と自分のグルーブをいかにして表現し、フロアーに落とし込むかが最も重要だと思っている。そんな全く一般的では無い特殊な仕事であるDJは、DJ = アーティストでもあって、音楽を流すと共に、自分の人間性やキャラクター、ライフスタイル、メッセージを伝える事で、サポートしてくれる仲間達との距離をより近く出来るし、どんな想いでアニバーサリーを盛り上げたいのか、そして、お祝いしたいか。このパーティーに対する気持ちが共有出来るから、このメッセージ映像を作るか、作らないかで大きな差が生まれる。

今回の06S 14周年記念パーティーのメッセージビデオでは、何を伝えるべきか?今年に入ってからゆっくりと考えていたけど、個人的な話をしてしまうと、ここ数ヶ月のプライベートで1本のドラマが作れるんじゃ無いか?と思う程色んな事が起きて、数々の問題に打ちのめされて、生活が激変した結果、体も壊し、俺はもうダメなんじゃないか?って凄く深く考える時間があった。そんな状況から見つけ出せた答えは、自分には音楽があって、やっぱりこれをやり抜くしかないという想いに最終的に着地した。過去にもこんな経験があった時に、音楽が何度も救ってくれて、そのおかげでドラムンベースDJを軸にした生き方になって、やる気と本気度が高まったおかげで今があるんだけど、今回は今迄に味わった事の無い強い気持ちになれたんだ。音楽は絶対に1度も俺を裏切らなかったし、愛せば愛す程、その想いに応えてくれる自分の人生にとって本当に大切な存在。だから自分のライフスタイルが激変したとしても、この愛し抜いたドラムンベースという音楽にもっと真剣に向き合っていきたいと考えたし、自分のこの想いに賛同してくれる仲間達と一緒に切り開く新しい世界を見たいと考えたから、SHAPE THE NEW WORLD (新しい世界を形作る)というメッセージを伝えたかったんだ。

ダンスミュージックのパーティーは東京だけでも無数にあって、でも14年も継続出来てるパーティーは、ほんの一握りで、しかもこんなマイノリティーなジャンルな上に、WOMBで開始した当初は人も全然集まらなかったし、こんなパーティーやってんじゃないよ!って苦言を呈する先輩方も沢山居た。凄い勢いで一気に上り詰めた事は正直1度も無かったけど、徐々にゆっくりゆっくりと右肩上がりに、ジャンルの認知度も、集客数も上がってきて、今の形が出来上がって来週14周年を迎える。もちろん感慨深いし、山のように良い事も悪い事も沢山の思い出が詰まっている。そして、こうして14年経っても仲間や応援してくれるみんなと、アニバーサリーをお祝い出来る現状が、当たり前のようで、実は凄く尊く未来のある事だと改めて心に刺さり、14周年の節目が自分にとって新しい世界の始まりなんだと!強く感じたんだ。 


この映像制作に向けて、アイデアをまとめて、自分で絵コンテとシナリオを書いて、グラフィックをアートディレクターのK2HGに相談して、映像作家のNUMANにメッセージや、やりたい事を伝え、撮影と編集を一気に仕上げてもらって、このムービーが出来上がった。撮影はたった3人の少数精鋭でやったし、絵コンテに基づいて必要なカットをその場で考えていった。俺のこの殴り書きの絵コンテでもイメージが伝わる感覚ってもう10年以上一緒に沢山の作品を作ってきたからこそであって、自分のイメージを完全に超えて上質な作品に仕上げてくれる2人には、感謝してもしきれない。そして、最初に書いたシナリオに思いっきりダメ出しされて、最善の答えを見つけるべく3時間も熱い討論をしてくれたタケオ。この映像用に曲をエディットしてくれたMAOZON。ナレーションをレコーディングしてくれたDIGZのグレッグ。パーティーの模様を撮影してくれたCHA2。たかだか2分間の映像と言っても、誰でも簡単に作れる訳ではなく、それぞれ関わってくれた人達の06Sに対する熱い想いや、技術。そして、愛があってこそ。そんな中で純粋に何かを産み出すクリエイティブな作業って楽しいし、本気でDJをするのと同様にこれからもリアルなメッセージをしっかりと伝えて行こうと改めて考えさせられた。このメッセージが沢山の人に届いて、シンプルにこの映像を見て楽しそうだから06Sに行ってみよう!って思ってくれる人が1人でも増えたり、スタッフやお客さんの士気が高まってくれたら、メッセージビデオを制作した意味はとても大きい。5月2日の06Sは、いつもの仲間も、初めての人も、みんなで1つになって心からアニバーサリーを盛大にお祝いしようね。




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