2009-05-05

熊本 _ 杖立温泉

黒川温泉滞在後、熊本県と大分県の県境に位置する杖立温泉街で、
毎年4月初旬~5月初旬にかけて開催されている、鯉のぼり祭りに訪れた。
川幅いっぱいに無数のこいのぼりが、風に乗って流れるように揺れている光景は、
とても優雅かつ迫力があって、大人になってすっかり忘れかけていた、
幼かった頃の子供の日を思い出した。
杖立温泉は、昭和初期から、九州の奥座敷と呼ばれ、歓楽街温泉として栄えたけど、
バブル崩壊以降衰退してしまったらしい。でも、昭和の雰囲気が残る路地裏は、
タイムスリップして子供の頃の昭和に戻ったような不思議な感覚。
杖立という地名は、平安時代の初めの頃、旅の途中で訪れた弘法大使空海が、
温泉の効能に感銘して、持っていた竹の杖を立てたら、枝や葉が生えてきたとか、
杖をついて湯治にやってくる病人や老人も、帰る頃には杖を忘れるという、
温泉の霊験をたたえた由来もあるとの事。
その土地に伝わる歴史や、由来を知るのも旅を楽しむ大事な要素だ。
杖立温泉では、約98度もある高温の湯煙りを利用した「むし湯」が有名だけど、
地元の人に勧められて、杖立温泉街の中で1番良いお湯と言われる白岩温泉の湯を堪能した。
地下300mから汲み上げられた、源泉は、無色透明・無味無臭、若干ツルっとする肌に
良い、クセの無い泉質。でも、30分入った後、車で爆睡してしまう程、パンチの効いた
源泉。コインタイマー式で、1時間500円〜800円で入れるかなりリーズナブルな価格。
洒落た作りとは言いがたい公衆浴場だが、本当に良い源泉は、
地元の人々の生活に密着した温泉にあると実感出来た、杖立温泉街の白岩温泉だった。

泉質 : アルカリ性単純温泉 (低張性アルカリ性高温泉)
効能 : 神経痛、関節痛、筋肉痛、病後回復、冷え性等。


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